田舎の佐賀県で、今年23歳になるフリーターのケイコはパパ活を始めました。
お金が必要で、友達からパパ活を勧められたことがきっかけでした。
最初は怖いと感じましたが、やってみると意外と楽しいものでした。
慣れてくると、どういう男性と会うと楽しいかとか、どういう話をしたら相手も喜ぶかとか、コツをつかんできました。
新しい扉
ケイコは自立するために、大学卒業後に地元の佐賀県で就職したが、なかなか思うようにキャリアアップできずにいました。
そんな中、一つ年上の大学の男の先輩から「パパ活」を勧められ、勇気を持って一度アプリ登録をし行動に踏み出しました。
ケイコは今まで何人かの男性と付き合ったりしたことはあります。しかし、キャバクラやスナック等いわゆる「夜の仕事」ということをしたことはありませんでした。
もちろんパパ活は夜だけに実施するものではなく、土日を含めた24時間365日年中無休です。SNSやテレビドラマ等で何となくの情報は得ていました。
その行動を通じて、新しい世界や出会いを経験することになりました。
祐徳稲荷神社(ゆうとくいなりじんじゃ)デートで見つけた自分自身
パパ活アプリを使い始めたばかりであるケイコはパパ候補の中からスーツを着て、ジェントルマン風の写真を掲載している50代のおじさんに見える男マサカズを相手に選びました。
何回かメッセージのやり取りをしていると、「とにかく会おう!」と言うことになり、「デートだけなら」と言うことを条件にデートをすることになりました。
記念すべき一人目のパパ活の相手を見つけたワケですが、ケイコは、パパ候補マサカズとのデートの場所に困っていました。
そんなとき、知り合いから勧められたのが「祐徳稲荷神社」(ゆうとくいなりじんじゃ)だったのです。
佐賀県鹿島市に位置する「祐徳稲荷神社」は、九州では、福岡県の太宰府天満宮に次いで2番目となる参拝者数(年間約300万人)を誇ります。
鹿嶋市は、有明海に面しており、観光資源が豊富で海のパワーを感じる場所です。
祐徳稲荷神社はタイ映画やドラマのロケ地として、タイ人からの認知度が抜群に高い日本の神社です。そのため、タイ人観光客が多数訪れています。
その日も、たくさんの若いタイ人観光客でいっぱいでした。
そんな観光客が多いと、パパ活の50代のおじさんとですら、一緒にタイ旅行に行っているみたいな気分になり、普段の自分とは違う自分を見せることができました。
マサカズは特にエッチなことやセクハラをしてきたり、手を握るようなこともなく、ただ普通に年配の友達みたいな感じで過ごすことができました。
しかしながら帰る際に、「ありがとう」と3万円を手に乗せて来た時に、何とも言えない、自分の卑しい嫌な部分が浮かび上がりました。
ケイコはもらった3万円をクシャクシャに握りつぶし、マサカズの目を見ることもできず、神社近くの駐車場まで一気に走り去りました。
駐車場の自販機裏で「何か大切なモノ」を失ってしまったような虚無感に襲われ、静かに流れていた涙は、やがて嗚咽に変わってしまいました。
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